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信頼関係を築く会話の4つのステップ

2016.12.19 | 
  •  

 

ロイス:
他にお話ししたいことはありますか。
視聴者の起業家の皆様のためになるようなことはありますか。

ジョン:
そうですね。
大企業の方も中小企業の方も、
効果的にコミュニケーションを取ることは必須です。
社員が1人であっても、25人であっても。
社員に対して期待をはっきり伝えたり、指示を与えたり、
フィードバックやコーチングを与えて彼らのスキルを磨いたり、
正しいことをした時に評価したりすることができないと、
リーダーや起業家として効果的とは言えません。

私たちが提供している商品は全ての人に適用できるものです。
私たちの仕事は、良い結果を出すための手助けです。
そもそも、良い人間関係や人に対するリスペクトが無ければ
良い結果を出すことはできません。
全て関係しているのです。
自分が望む結果を出すためには、人間関係を築き、
相手に対して敬意を払わなければいけません。

ロイス:
なるほど。
このプロセスの例はありますか。

ジョン:
まずプロセスのステップを説明してから
実践方法をお教えしますね。

「イニシエーション(開始)」とは会話を開始することです。

多くの人はどう会話を始めていいものか迷ってしまいます。

「イニシエーション」のステップは3つに分かれています。

まずは「アテンション・チェック」と言って、
相手の注意を引きます。

次に事実やデータや証拠を伝えます。
そして相手がその事実についてどう思うかを伝えます。

次のステップ「ディスカバリー(発見)」では、質問をします。

「コネクション(繋がる)」では、今聞いたことを要約して、
相手に「イエス」か「ノー」と答える機会を与えます。

相手が言っていることを要約することで、
相手はこう思うんです。
「ジョンは私の言っていることをちゃんと聞いていて、
理解しようとしているんだ」と思ってくれます。

例えば会社でパフォーマンスが良くないことについて会話する場合、
このステップで相手に対しての期待や、
相手の悪いパフォーマンスがもたらす影響などについて話します。

そして最後の「ビルディング(作り上げる)」のステップでは
アカウンタビリティについて話します。
相手と一緒にこれからのプランを考え、お互いに合意します。
物事のやり方をどう変えるか。
そしてそのプランに責任を持ってコミットすることを約束してもらいます。

それでは例を幾つかあげます。
まずは個人的な例です。
長い旅行から帰ってきた私に、妻がこう言うとしましょう。

妻「久しぶりだから明日一緒に外食しましょうよ。」

私「いいよ。どこに行きたいの?」

妻「あなたが好きなところを選んでいいわよ」

私「じゃあ、あそこの海鮮料理屋に行こうか」

妻「いや、魚はあんまり食べたくないわ」

私「そう。じゃあ、メキシカンは?」

妻「あなたがいない間メキシコ料理食べちゃったからあまり行きたくないわ」

私「それじゃあ、前行ったあのレストランは?リブやサラダがあるよ」

妻「あそこはうるさいから嫌だわ」

私「じゃあテキサス・ロードハウスは?ステーキが美味しいよ」

妻「あそこもうるさいから嫌だわ」

私「ちょっと待って。何が起こっているか、少し話したいのだけど」

妻「また私にリアル・トークのプロセスを使おうって言うんでしょう」

私「そうだよ」

今使ったのが「アテンション・チェック」です。
「今起こっていることについて話したいのだけど」と言いました。
それが彼女の注意を引きました。

それから事実を伝えます。イニシエーションです。

「僕は4つの選択肢を提案したのに、全て却下したよね。」

それから、それに対する私の解釈を伝えます。

「もしかすると君は実は行きたいレストランがあって、
僕がそれを選ぶことを望んでいた。そうじゃないかい?」

ここで質問をすることで
「ディスカバリー」のステップに入ります。

妻は「うーん、まあね」と言います。

私「ならなんで最初から言わなかったんだい?」

妻「…ん…だって、あなたが選んでいいって言っっちゃったから、
 嘘付きだと思われたくなかったの」

私「でもなぜ最初に言わなかったの?」

妻「あなたが怒ると思ったから」

私「え、なんで? 僕は前にも怒ったことがあった?」

妻「もちろんあったわよ」

私「それはあとで話し合うとして…他に理由はある?」

妻「いや、それだけよ」

それから「コネクション」のステップに進みます。
まず要約します。

私「僕の理解が正しければ、僕は4つの選択肢を提案したけど
 君は全部却下した。
 君が本当に行きたいレストランを僕に選んで欲しいと思っていたんだね。
 でも僕が怒ると思ったから君は最初から言わなかった。
 それで正しい?」

妻「そうだけど、私がどこに行きたいか聞きたくないの?」

私「いやいや、まだ話は終わってないよ」

この会話には、アカウンタビリティとかコミットメントという
深刻さは特に必要ありませんが、例として分かりやすいですよね。

私はこう言います。

私「僕に場所を選ばせてくれるって言うなら、
 僕は、本当に選んでいいんだって期待するよ。
 でも、選んでいいって言うのに選んじゃだめだということになると、
 なんだか君に操られたような気になる。違うかな(笑)?」

妻「そうね。分かったわ」

私「それではこれからはどうするか考えよう」

妻「まだ私がどこに行きたいか知りたくないの?!」

私「まだ終わってないよ。
 これからは、僕に選んでいいっていってくれるのであれば、
 本当に僕が選んでいい、という意味であって欲しい。
 そのためにはどうしたら良いと思う?」

ここで1度彼女に解決法を考えてもらいます。

彼女はそれに対して「わからないわ。あなたはどう思う?」と、
質問を私に返します。

私「それじゃあ僕が『本当に?』と聞くようにしたらどうだろう」

妻「どういうこと?」

私「つまり、どこへ行くかを僕が決めていい、って言われた時に、
 僕が『本当に?』と聞けば、
 君は、本当に僕に選ぶ権利をくれたのか、
 それとも実は行きたいところがすでにあるのか
 もう1度考えることができるんじゃないかな」

妻「私はそれでいいわよ」

私「この次は僕が『本当に?』と言うから、
 君は本当かどうかまず考えてから答える。
 今日からは僕が『本当に?』と聞いたら、
 君はそれが本当に僕に選ぶ権利を渡してもいいかどうか、考える。
 それを約束してくれるかい?」

妻「分かったわ」

私「絶対に?」

妻「絶対にそうするわ」

これが、
「イニシエート(開始)」
「ディスカヴァー(発見)」
「コネクト(繋がる)」
「ビルド(作り上げる)」
の4つのステップです。

その後は、もちろん彼女の行きたいレストランに行きましたよ(笑)

それではビジネスの場合の例をあげましょう。

私は金曜日の朝8時に出勤します。
私のアシスタントは朝7時30分頃に出勤します。
8時になると、私は彼女に1週間の売上や財務データを渡します。
彼女はそれらをレポートにまとめて、9時に私に戻します。
私は9時15分に部長とミーティングをします。
そこでレポートを確認した後、
部長は10時に副社長とミーティングをします。

ところがこの2週間、彼女はレポートを完成できませんでした。
そのため私は部長にレポートがないことを
伝えなければいけませんでした。
もちろん彼は副社長に提出するレポートがないので不機嫌です。
データがないのでミーティングになりません。
そこで彼女と話をすることにしました。

2週間目の金曜日。
彼女はレポートを終わらせることができませんでした。
まず「アテンション・チェック」を使います。

私「レポートについて少し話がしたいんだけど、今時間ある?」

アシスタント(以下「ア」):
「分かってます。レポートを提出できなかったからですよね」

私「先週レポートが間に合わなかった時、今週は提出しますと言ったよね。
でも今回もレポートが終わっていない。2週目だ。
僕が知らない何かが、君が金曜日の9時までに
レポートを終わらせるのを妨げているのでは、と思うんだけど」

彼女に私の解釈を伝え「これは正しいかな?」と言います。

アシスタントは「そうです」と答えます。

私は聞きます。「一体何が起こっているんだい?」

ここでディスカバリーのステップです。
質問をします。

ア「実はこの2週間、私が出社した10分後に副社長が来て
 『これを全部タイプして欲しい』と仕事を渡すのです。
 もちろん副社長にノーとは言えませんでした。
 副社長に頼まれた仕事をやっていたために、
 レポートを終わらせることができませんでした」

私「なるほど。これは前にもあったこと?」

ア「いえ、この2週間だけです」

私「また起こりうる可能性は?」

ア「分かりません」

私「でも君は何も言わなかった」

ア「私は部下だからジョンの方から何か言ってもらった方がいいと思ったので・・・」

これが全てディスカバリーのステップでした。

そしてこれからコネクションのステップです。
要約します。

私「これは今までに起こったことがないことないんだね。
 副社長が突然やって来て君がレポートを終わらせるのを妨げている。
 それで正しい?」

ア「そうです」

ここで私の期待と重要性を伝えます。

私「このレポートは何があっても9時には必要なんだ。
 レポートがあれば私も部長も、後の副社長とのミーティングの準備ができる。
 そして皆このデータをもとに売上に関する判断を下すことができるんだ」

ア「分かりました。皆の準備に欠かせないものだということを
 きちんと理解できていませんでした」

私「それではこれからはどうしたらいいと思う?」

ア「木曜日の午後までに売り上げのデータをもらうことはできますか」

私「なぜ?」

ア「そうすれば木曜日少し遅くまで仕事をすることになっても、
 金曜日の朝までには確実にレポートを提出することができます。
 それならもし金曜日の朝、副社長から急に仕事を渡されても大丈夫です」

私「そうしよう。データは木曜日の何時までに渡せばいい?」

ア「午後3時半はどうでしょう」

私「分かった。
 では今週の木曜日の3時半までに君にデータを渡せば、
 金曜日の朝一までにはレポートを準備してもらえるということだね?」

ア「そうです」

ここで今これからのプランを要約しましたね。
それから彼女に約束をしてもらいます。

私「じゃあこれからはそうしよう。もし何かあったら僕に言ってくれるね?」

ア「はい」

私「これからはこのやり方でいいね」

ア「はい」

私「では今週から試してみよう」

比較的簡単ですね。
会話を始めて、質問をして、お互いを理解し合い、解決策を見つけます。

ロイス:
コミュニケーションのためのスイス・アーミーナイフのようですね。

ジョン:
すごいと思いますよ。
この4ステップのプロセスが使えるようになれば、
会話の始め方、会話の状態、そして会話が終了したかどうかが、
いつでも全て分かるようになります。
当てずっぽうの会話はしなくて良くなります。
推測もしなくてよくなります。

ロイス:
素晴らしいプロセスですね。

ジョン:
皆様の会話にも役立つと良いです。

ロイス:
ちなみに、子供達に物事を教える場合は
大人に教えるのとは違いますね。
私の経験では子供たちは自然とスキルを吸収してくれますよね。

ジョン:
私もそう思います。

ロイス:
大人の場合は「私はそんな風に喋らないぞ」などと
抵抗を示すことがあります。
しかし違う結果を出したければ、何かを変える必要があります。

このプロセスの対象になるのはどのような人ですか。

ジョン:
これは誰でも使えるプロセスだと思います。
どんな人にも当てはまる原則やスキルです。
私たちは、家庭でも職場でもどんなシチュエーションでも
使えるスキルを教えているのです。
どんな難しい会話でもできるようになるためのプロセスです。

では、私が常に家で子供達とこのように会話しているかと言うと、
そうではありません。
職場の会話と比べて、彼らには質問を多くしていると思います。

そして毎回「イニシエート」「ディスカヴァー」「コネクト」「ビルド」の
4つのステップを使っていうわけでもありません。
ですが難しい会話をしなくてはいけない場合は使います。

会話に構造を与えることで会話がうまくいきますし、
構造やプロセスを使うことで
会話を思う方向へ進ませることができるようになります。
会話から得たい結果へ進むことができます。
最終型を思い描きながらそこに向かって
一緒に進んでいけるようになるわけです。

ロイス:
今日は本当に多くのことを教えてもらいました。
どうもありがとうございました。
最後に、これを見ている方々に、
あなたの仕事について知ってもらいたいことはありますか?

ジョン:
皆さんに知ってもらいたいことは、
「会話を避ける必要はない」ということです。

まずどの人間関係を改善したいか自分に問いかけてください。
リスペクトが足りていないところは無いか。
どんな結果を出したいか。

それらをはっきりさせることができれば、
そのための会話の方法とスキルを学ぶことができます。
そうすることでプライベートでもビジネスでも
様々な面での改善を促すことができます。
推測することもなくなります。
シンプルで簡単にできるようになります。

ロイス:
日本では相手の顔を立てるために、
難しい状況や対立を避けることが多いですね。
難しいフィードバックを与えるのを躊躇したり…。

ジョン:
そうですね。
でももしそれを続ける場合、
「一生このままの結果でいいのだろうか」と
自分に問いかける必要があります。

もしそれで良いのであれば、それで良いでしょう。
でも結果を変えたいのであれば、
私たちがその方法を教えることができます。

ロイス:
この概念は一生物なのでしょうか。

ジョン:
一生使えます。
私がもっと若い頃に学んでいれば、もっと早く結婚できたでしょうね…。

ロイス:
もし結婚することが目標であれば、そうですね。

今日はどうもありがとうございました。

ジョン:
こちらこそ、どうもありがとうございました。

>ロイス・クルーガー
ロイス・クルーガー

故・スティーブン・コヴィー博士と共に、世界最大級の企業研修及びコンサルティング会社であるフランクリン・コヴィー社の共同創設者。

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